投稿日:2024.11.27

☆これって日本語?多良間語??難読‘たらまふつ’☆

 みなさまこんにちは、先日無事に「たらま島一周マラソン」が終わり、ちょっと抜け殻と化しているあっきーですが(笑)、お元気でお過ごしでしょうか?

先日、11月16日(土)に、第24回たらま島一周マラソンが終了。私は事務局としてあちこちのフォローに回るかたわら、レース後の「ふれあいパーティー」の司会として、ご飯を食べる間もないくらいバタバタとテンション高く走り回っていました。確かに疲れた・・・のですが、参加者の皆様や役場の同僚の皆さんに、「司会が楽しかったです♪」「どうしたらそんなに上手に司会が出来るの??」と‘名司会?’ぶりを褒められて、少し嬉しい私なのです♪

 皆様の地域で何かイベントがあれば駆けつけますので、是非お呼びください(笑)…と冗談(半分本気)はさておき。「司会⇒話す⇒言葉」、ということで・・今回は、ガイド中にもよく聞かれる「多良間の方言(たらまふつ)」のお話をしたいと思います!

※多良間ではおなじみ、可愛いヤギちゃんは「ピンダ」と言います♪

【一筋縄ではいかない??解読不能なたらまふつ】

 3年前の9月のこと。地域おこし協力隊として多良間に赴任したばかりの私は、ガイドとして様々な島の文化や生活習慣を学ぶため、島の先輩ガイドの方や「ふるさと民俗学習館」の館長さんなど、多くの多良間の方から研修を受けていました。3年前といえば、当時はコロナ禍でマスク着用が義務付けられていた頃ですが、そこで困ったことが起こりました(汗)。

誰かと話している時に、マスクのせいもあって音がこもり、発音が分からないことが多発!

たらまふつには、「トゥブリ゜」など、標準語とは違う位置に「゜」がついている言葉が多いのですが、マスクの奥で発音されてしまうと・・「・・・すみません・・・さっきの、リに〇がついている言葉?もう一回お願いします・・」ということになってしまいます(笑)。

そして、研修中にガイドさんのお知り合いに会った時には、「たらまふつ純度100%」。ええ、ふたりで爆笑しているけど、今の話の中で何か笑うところあったかな??とひとりでキョトン。それでも、「たらまふつ辞典」を役場から頂戴し、ひとり家で頑張って復習するのですが・・そもそも「言葉の発音」が聞き取れないので、「意味」を調べるまでたどり着けないのです。まわりの皆様には「聞いて覚える方が早い!」と言われたのですが、リスニングからしてダメでした(笑)。

※島に40箇所以上ある「トゥブリ゜」は「海へ向かう小路」という意味。
  ちなみに、「リ゜」は、普通の「リ」を巻き舌気味に発音するそうです(でも出来ない)。

  日常生活でもその悩みはついて回ります。字や集落の先輩方は、普段はたらまふつをメインで使われている方が多いのです。集落の集まり事で意見交換(井戸端会議のような感じ)をする際にも、「〇〇さー?だからよー…」、「あがーぃ(「あちゃ~」のような意味)、それだと△△さ~」・・・うんと、すみませんえーっと・・・と苦笑いの私。

気づいた先輩が、「ほらぁ、あっきーさん、〇〇って分かるさー?」と聞いてくれるのですが、まずそこから分からない(笑)。それでも皆様が根気よく標準語に「通訳」して頂いたおかげで、今ではなんとか会話について行けるようになりました。そして、本当に分からないときは迷惑を承知で意味を聞くことを実践した結果、今では、実家の母や内地の友人と話す際にも「だからよ~」が出てきてくれる程度には成長しました。。!

 余談ですが、皆さんが爆笑している会話の内容を尋ねた時、「う~ん、標準語に訳すと面白さが伝わらないさね~」と言われたこともあります(笑)。多良間の皆さんはローカルな「冗談」や「面白い話」が大好きなんだなぁとつくづく感じた次第です。

※「八月踊り(八月御願)」は「パチュガツブドゥリ゜」と言います♪

【たらまふつの発音テスト!?‘クワズイモ’の試練】

 協力隊に着任してしばらくして、以前の協力隊の先輩が形を作ってくれた「サイクリングガイド」の催行を引き継ぐこととなりました。コロナ禍真っただ中だったため、「島内を私がスマホで撮影しながらサイクリングをする」というオンラインガイド。ガイド時に説明するためのフリップなどを譲り受けて準備をしていました。

 フリップには多良間の歴史や地理の説明、特産品の紹介など、ガイドに必要な資料が色々と載っていたのですが、その中で私が一番気になったのが、下記の写真のフリップ。

・・・ん?えーっと???これは何て読むのだ??そして、なんという意味なのだ??(謎)。混乱した私は潔く先輩に質問。「これってどういう意味のたらまふつですか?」「あ、それねー、ガイド中にゲストさんに発音してもらってね!『クワズイモ』っていう意味だよ♪」

 クワズイモ(サトイモによく似ているけど毒性がある、ので食べちゃダメ=食わず)、という意味は分かりましたが、なぜここに唐突にクワズイモが出てくるのでしょうか?

※唐突にガイド中に発音させられる「クワズイモ」(笑)

 先輩曰く、クワズイモのたらまふつはとーーーっても発音しづらいので、島の皆様が、先輩や私のような内地から移住してきた皆さんに、「たらまふつのテスト」をする時によく使うのだとか!うん、確かに私も発音できないです・・・。これが完璧に発音出来たら、とりあえず第一段階クリア!というところなのでしょうか(汗)。

 実際、集落の集まりでその話をすると、「あっきーさんはいつ完璧に言えるようになるかな~?」な、ちょっとニヤニヤした皆様の笑顔。噂は本当だった!!!!!これはガイドとしての資質も試されているのでは!!??と一念発起。色々な人に「クワズイモ発音してください!」とお願いしまくる、ちょっと変な子になっていました(笑)。

※クワズイモ以外にも、難読単語がいっぱいだよぅ…。

 え、今ですか??今ではもちろん・・・と言いたいところですが!

何度もガイドをする中で少しずつコツをつかみ、島の皆様にも「お!上手くなったなぁ~」と言われて上機嫌になり、油断すると次のガイドではボロボロ・・・。何事も練習!とは言いますが、こればっかりはなかなか難しいなぁ、と感じる移住4年目の秋なのです。

※頼りにしてます!たらまふつ辞典♪

【あっきーが選ぶ!「私の好きなたらまふつ」ランキング♪】

 たらまふつの難しさに触れて頂いたところで・・・私が個人的に気に入っているたらまふつをランキング形式でご紹介したいと思います!わりと発音が簡単なものばかりなので、皆様もぜひこの機会に覚えて発音してみてはいかがでしょうか??

ではまいります…。

【第3位! 「ウシャイ」】

 さぁさぁこれはどういう意味でしょう??

ヒントは、お酒を飲む方ならいつも一緒に召し上がっているものですよ!!!

ででんでんででん、正解は・・・・これです!!! 

※多良間神社祭の際にご馳走になりました♪

おつまみ~♪」

 はい、皆様大好きな「おつまみ」が正解でした!!!

多良間に来たばかりの頃、役場の先輩に「あっきーさんは、どんなウシャイが好き?」と聞かれて、???となっていたところ、周りの皆様が、「あっきーさんがお酒飲む時に食べるものよ~」と教えてくださり、あぁ!と深く納得した次第です。

 で、なんでこのたらまふつが好きなのかって?いやいやいや・・・そこは皆様、察して頂けますと幸いです(笑)。でも、集落の作業後の飲み会の準備をしている時、「この島らっきょう、塩もみしたらウシャイにいいですね!」とつい口をついて出てしまった言葉に、「ウシャイの意味を知っているなんて(しかもそんなにナチュラルに使えるなんて)、あっきーさんはさすがだなぁ(笑)」と、にーにー(年上の男性)たちに言われて赤面した一コマもあります。

 でも、いいんです!多良間のウシャイは特に美味しいから、いいんです!(笑)

【第2位! 「すでぃがぷぅ」】

 多良間に来たことがある方なら、ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが…。宮古島から多良間へ飛ぶRAC(琉球エアーコミューター)の機内で、CAさんが最後に「ワーリ゜ すでぃがぷぅ」とおっしゃるのでおなじみです!

ありがとう♪」

 ちなみに、多良間から宮古島へのRAC便に乗ると最後に「たんでぃがーたんでぃ」とおっしゃっていますが、こちらは宮古島の方言で「ありがとう」ですね!

 観光客として多良間に来ていた頃から、「すでぃがぷぅ」の響きがとってもかわいいなぁと思っていて、お気に入りのたらまふつです♪島内でも、ありがとうではなく、「すでぃがぷぅ」を使われる方が多いので、私も自然と島の方とお話しする時は「すでぃがぷぅ~♪」と言うようになりました。

 そして、プチたらまふつ講座!

「すでぃがぷぅ」の発音は、「すでぃがぷぅ⤵(語尾が下がる)」と思っている方もいらっしゃるかと思いますが、実際に多良間の皆様がお話しされているのを聞いていると、ほとんどの方が「すでぃがぷぅ⤴(語尾が上がる)」とおっしゃっています!個人的には最後に語尾が上がる方が、「あぁ、本当に嬉しいんだなぁ~」と感じるので、大好きです☆

 実際、「すでぃがぷぅ」とおっしゃっている時の皆様は、こちらが気持ちよくなるくらいとても素敵な笑顔です!『すでぃがぷぅはみんなを幸せにする』

【第1位! 「ずみ」!】

 こちらは多良間フリークの方ならご存じの方もいらっしゃるかもしれないですが、本当に私の大好きなたらまふつです♪南の島に来て綺麗な海を見て美味しいものを食べて・・・そんな時につい出てきてしまう、あの言葉ですよ!

※こんな景色を見たら、まさに「ずみっっ!!!」ですね!

最高っっ!!!!!」

 と、いう感じでしょうか♪沖縄には「じょーとー(上等)」という、いわゆる「いいね!」を意味する言葉がありますが、個人的には私は「ずみ!」を激押しします!

 何がいいかって、このたった二文字で、その場にいるみんなが「最高!」と思えてしまうことです♪多良間の皆様も、「これ、ずみしゃ~?(これ、最高やね!?)」といった感じでよく使われます。ちなみに私は普通に「ずみ!」だけを連呼していますが、皆様と気持ちは一緒です♪

 皆様も、観光で多良間に来られた際に、島の方に「多良間はどう?」と聞かれたら、この一言で大丈夫です!最高の笑顔で「ずみっ!!!」と言ってください!(大き目の声で言うのがポイントです!)そこから笑顔の会話のやりとりや交流が生まれること、間違いなしです♪

※この景色も、「ずみ!」私のお気に入りの普天間御嶽です♪

さて、いかがだったでしょうか?たらまふつは、沖縄本島の方言ともまた違い、難しいな~っと感じている方も多いのではないでしょうか(私も)?多良間に来たばかりの頃は、会話の90%くらいが理解できなかった私がやっと、移住4年目で40%くらいは(解説があれば)分かるようになってきたくらいなので、気長に覚えていきたいと思っております♪

あ、ちなみに文中に出てきた「クワズイモ」を発音するツアー(笑)は、現在はオンラインではなく現地開催で催行中です。もれなく「クワズイモ」の発音も学べて、多良間の歴史や文化・生活にも触れることができるのでご興味のある方はこちら☆

【琉球風水集落サイクリングガイド|2時間】多良間島♪最後の南の楽園を、現地ガイドが楽しくご案内!|沖縄の離島観光専門サイト「しまたび」

 それでは、また次回のコラムで元気にお会いしましょう♪急に寒くなってきましたので(多良間はまだですが・・・)皆様お身体には気を付けてお過ごしください。