伊平屋の「石」っておもしろい!?- Part.1「ヤへ岩」-
みなさんは自分の今立っている足元の地面や
そこらじゅうにある石ころに目を向けたことがありますか?
私はというと、
子どもの頃はチョークのような石(名前は分からないがピンクやオレンジの色)を
見つけては地面に絵を描いたり、ひたすらコンクリートで削って粉を作っては水に溶かし、
ジュースに見立てておままごとの必須アイテムとして活用してました。
といってもキレイに溶けることはなく、瓶の底に沈殿してたけど…
そしてお気に入りの石を秘密の場所に隠しては大事にしていたものです。
大人になりいつしか気に留めることが無くなったけど
振り返ってみると思い出深い「石」がみなさんにもありませんか?
今回はそんな「石」の話をひとつ。
先日、沖縄県立博物館の方たちが伊平屋にいらして
「石ころと遺跡がかたる島のヒミツとなぞ」というフィールドツアーを
開催してくださいました。
たくさんのことを教えていただいたのですが
その中からPart1として「ヤへ岩」についてご紹介いたします。
「ヤへ岩」は伊平屋島の北部にあります。
潮が引けば渡ることもでき、観光パンフレットでも紹介されている名所です。
「ヤへ岩」は「チャート」というとても硬い石でできています。
「チャート」はその硬い性質を活かして
石器や火打石として使われることが多かったそうです。
そして硬いため溶けずに残ります。
ちなみに石灰岩は「酸」に弱く、弱い酸である雨にも溶けやすい性質を持っています。
そんな「チャート」でできた「ヤへ岩」には古くから様々な言い伝えが残っています。
実はよーく目を凝らして見てみると石積みを確認することができるのです。
これは約500年前に作られたもの。つまり「遺跡」なのです!!
何のために作られたかというと…
「海賊から身を守るため」
その昔、伊平屋島近海にも海賊が攻めてくることがあったそうです。
そんなとき海賊から逃げて身を隠したのがここ「ヤへ岩」。
だから石積みは外海側ではなくその裏側にあり、
陸からもその姿を確認することができるのです。
またチャートでできた「ヤへ岩」は溶けずに残ったので目立ちやすく、
灯台の役割も果たしていたと言います。
「石」ひとつから分かる伊平屋の成り立ちとその歴史。
もしかしたら誰かの思い出深い「石」のひとつかもしれません。
次回はPart2をお届けします。
どの石について語るかは次回のお楽しみということで^^
記者:叶雅美(伊平屋村)
奄美大島出身。
大学卒業後、田舎や島をフィールドに地域づくり事業に携わる。
2012年、沖縄県最北端の有人離島・伊平屋村へ移住。
観光コーディネーター・地域コーディネーターとして村の振興に関わる。