玉陵国宝指定記念シンポジウム開催
7月7日に沖縄県立図書館ホールにて玉陵国宝指定記念シンポジウムがございました。
基調講演「ユーラシアのなかの玉陵」を京都大学名誉教授の高橋康夫様、報告として「沖縄の墓と王陵」を沖縄県立芸術大学附属研究所客員研究員の安里進様、「玉陵を通して見る琉球建築文化」を文化庁文化資源活用課 修理指導部門 主任文化財調査官の武内正和様、そしてコーディネーターを琉球大学名誉教授の高良倉吉様によりパネルディスカッションを含めて3時間ほど開催されました。
父も来賓として呼ばれ登壇させて頂きました。
父は先生方のお話しにとても勉強させられたと、自身認識していなかった玉陵の新たな一面を知り得、有り難かったと申しておりました。
私が資料を拝見し印象深かったのは、玉陵は東アジアの王陵の中で異例の立地にあるということです。古代・中世の中国や李氏朝鮮では首都から離れた地に陵墓を築き、平安京ではその周囲に天皇陵を設けたが、中世の琉球では王陵を王城の直近に配置しました。遠隔地や都市郊外に陵墓を築いたのは、墓を凶とする観念や死生観によるもので、琉球ではそうした観念をもたなかったようです。こうした観念の違いにより沖縄の王陵とは堂々たる構えで建造された訳ですが、これはまた琉球が東アジア世界との交流の中で培ってきた独自の歴史と文化を象徴しており、沖縄の日本遺産、国宝に相応しい遺産と思います。
シンポジウムを主催下さいました那覇市、協賛の沖縄県教育委員会の皆様、ありがとうございました。
筆者:尚 満喜(しょうまき)
1984年生まれ。
自由が丘 産能短期大学卒業
神職資格を取得し、現在は東海地方にて神職として神社に奉職しながら一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会の副代表理事を務める。
◆一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会
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