伝統芸能エイサー【元琉球王族、尚家が語る沖縄への想い】
[テーマ写真:「袋中上人を見送る琉球国の人々」]エイサーは、沖縄県と鹿児島県奄美群島でお盆の時期に踊られる伝統芸能であります。
その起源は諸説あり、有力な一説を紹介します。1609年に琉球国へ渡った浄土僧の袋中上人が琉球国に3年間滞在した際、当時の琉球国王第二尚氏第七代尚寧王より知遇を得て浄土念仏を伝えた時に遡ります。
袋中上人の伝えた念仏は、今でも旧盆に先祖送りの踊りとして行われるエイサーの中に念仏歌として受け継がれています。
また、500年以上前の「李朝実録」(1479年編)に当時の那覇にエイサーが記録として残っており、そのころが始まりだという説もあります。
エイサーの呼び名についても「おもろさうし」の第40巻に残る「さおもろ」という言葉が語源と言われたり、演舞中の「エイサー、エイサー、ヒヤルガエイサー」という囃子からきているという説もあります。
エイサーの基本隊列は、旗頭・地方、地謡・大太鼓・締太鼓・イキガモーイ(男手踊り)・イナグモーイ(女手踊り)・サナジャー役から構成されています。
毎年、旧盆の翌週末には、沖縄最大の夏祭り「沖縄全島エイサーまつり」が沖縄市で開催され、各地域のエイサーが披露されます。9月まで賑々しいエイサーのシーズンです。来沖の際には、是非ともエイサーをご覧下さい。
筆者:尚 満喜(しょうまき)
1984年生まれ。
自由が丘 産能短期大学卒業
神職資格を取得し、現在は東海地方にて神職として神社に奉職しながら一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会の副代表理事を務める。
◆一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会
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