令和2年御清明祭について【元琉球王族、尚家が語る沖縄への想い】
皆さん、こんにちは。
本日は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、延期になっておりました御清明祭についてお話しさせて頂きたく存じます。
令和2年の玉陵尚本家の御清明祭につきまして、種々準備を進めておりましたが、政府の緊急事態宣言に伴い、延期させて頂いておりました。
私共が在中しております三重県は、5月14日に緊急事態宣言の解除を迎えました。しかし、その後も県外への不要不急の外出自粛は続いており、沖縄県に至りましても県外からの受け入れの自粛政策がございます。
それ故、清明節は過ぎてしまい、本年の尚本家の御清明祭はトートーメー祭祀にて代行させて頂く事に致しました。
祭祀の決められた日に、父が尚本家の屋敷用として22代当主より受け継ぎましたトートーメーの前に、23代尚本家当主と同県におりますその家族の者が集い、祭祀を斎行させて頂きました。
尚本家にはお寺に安置しておりました歴代のトートーメー(お寺焼失後に東京に移動)と屋敷にて御祀りする歴代のトートーメーがございます。
御清明祭とトートーメー祭祀の進行の仕方には違いがありますので、本年はトートーメー祭祀に則り執り行いました。
その後、お供え物を家族で食し、御先祖様に日頃の感謝を申し上げ、祭祀を終えました。
尚本家では、当主が毎月1日、15日に先祖から継ぎましたトートーメー祭祀を自宅で行っております。
この新型コロナウイルス感染症は終息まで長年かかると専門家の皆様の御意見があり、上手く新型コロナウイルス感染症と共存共栄をしていく事が大切なのかと存じます。
その為、来年の御清明祭を迎える頃にあたり、新型コロナウイルス感染症が終息していない場合、三密を避け、どの様に玉陵で斎行出来るか考えていきたく存じます。また来年の玉陵御清明祭には皆様にお目にかかれる事を励みとし一歩一歩新しい生活様式を歩んで参ります。
筆者:尚 満喜(しょうまき)
1984年生まれ。
自由が丘 産能短期大学卒業
神職資格を取得し、現在は東海地方にて神職として神社に奉職しながら一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会の副代表理事を務める。
◆一般社団法人 琉球歴史文化継承振興会
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