那覇大綱引きイベントまもなく開催!
沖縄では、1450年頃、なんと室町時代から行われている伝統行事「大綱引き」があるのはご存知ですか?
毎年、旧暦の6〜8月(新暦7月〜9月頃)に行われるイベントで、綱を挽くことで、幸せと平和を引き寄せ、家庭円満、商売繁盛、子孫繁栄、無病息災を願う沖縄の伝統的文化行事です。
沖縄の各地で行われますが、今回は沖縄三大綱引きのひとつである「那覇大綱挽」をご紹介します。
那覇大綱引きの歴史
地方の農村行事としての綱引きがはじまり
那覇大綱挽は、琉球王国時代の那覇四町綱の伝統を引き継ぐ、長い歴史を有する沖縄最大の伝統文化催事です。その発祥は、西暦1450年頃。
那覇は、古くは浮島とよばれた港の村でしたが、交易品を取り扱う御物城(おものぐすく)、親見世(おやみせ)の設置、中国から渡来した久米村、天使館、在番奉行所(御仮屋)など公館の設置で次第に発展してきました。那覇大綱挽は、その那覇の発展とともに周辺の村々をかしー(加勢)として加え、なーふぁんちゅー(那覇人)の心意気を発揚する行事として成立してきたもので、沖縄の稲作文化を基礎にした沖縄独特の大綱挽です。
喧嘩が絶えず、一度は途絶えた大綱引き
毎年行われていた綱引きですが、勝負に熱中するあまり喧嘩口論が絶えなかったところから、1812年(嘉慶17年・文化9年)那覇里主、御物城の命により『那覇綱挽規模帳』(規則集)が制定され、以後この規定により綱挽が実施されるに至りました。その規定が厳しかったこともあり、徐々に盛り上がりを欠き、1935年(昭和10年)を最後に途絶えました。
その後、戦争もありしばらく開催されていませんでしたが、沖縄の祖国復帰の前年1971年、時の平良良松那覇市長により市制50周年記念事業として「10・10那覇空襲」の日に復活したのです。
ギネス認定の大綱
以来年々盛況となって、1995年ギネスブックによって「世界一のわら綱」と認定されるに至って、那覇大綱挽は、いまや世界一の綱挽として、那覇市民・県民の誇りとなり、沖縄の観光振興に大きく貢献する沖縄最大の伝統行事として定着しています。
ギネス認定は3回されています。
1回目
1995年第25回那覇大綱挽での綱が〝米藁で製作された世界一の綱〟として、最初にギネス認定登録。
2回目
1996年第26回那覇大綱挽2回目のギネス認定登録。
3回目
1997年第27回那覇大綱挽にギネス社編集長が確認の為に来訪し、記録更新を確認。全長186m、総重量40トン220kg、綱直径1m58cm、手綱数236本、挽き手1万5000人、参加人員27万5000人と綱挽のまつりが認定登録された。
大綱引きの作り方
毎年約40日間をかけて作られる綱。ギネス認定の大綱だけに、フォークリフトや機械を使っての大仕事になります。巨大な大綱作りの風景は圧巻です!
大綱引きの見所と参加方法
祭りのメインイベントは「旗頭(はたがしら)行列」と「大綱挽」
那覇大綱挽のプログラムは大きく2つ。「旗頭行列」と「大綱挽」です。
旗頭とは、応援旗のことで、古くから地域のてぃぐまー(細工師)によって、村々の繁栄を込めて考案製作され、大綱挽を応援する村の旗印です。現在、那覇大綱挽保存会登録の公式の伝統の旗頭は14旗。勇壮、華麗、優美、荘重とその形や色彩を争い、大旗の旗字は、古今の名著から取った句柄が大書され、町や村興しの目標ともなっているそうです。
「大綱挽」の前に、「旗頭行列」が行われ、はたもち(旗持)が旗頭を踊らせながら行列します。行列には旗頭のほかに、子供たちの印旗、太鼓、鉦子、ふら(ほら貝)が独特の演奏をし、青年たちは「サーサーサーサッ!」と威勢よく掛け声を掛け合いながら旗頭を持ちながら練り歩きます。
そして、後半の「大綱挽」。
みーんな(女綱)、をぅーんな(男綱)をかぬち棒で結合させて、西東に分かれて挽きあう綱は、陰と陽の結合を意味し、人類繁栄を願う神話的行事とされています。
大綱引きには誰でも参加できます!
大綱引きは見るだけでなく、参加も可能です!参加されたい方は、那覇大綱挽式典会場にお集まりください。毎年大混雑ですので、早めに行くのがオススメです。
4年ぶりの開催!第53回那覇大綱挽
那覇の三大まつりのひとつとして、市民県民のみならず、世界中の人々から愛されてきた那覇大綱挽。今年は四年ぶりの開催となるそうです。
開催まであとわずか。
是非足を運んでみてください!
開催日:令和5年10月8日(日)
旗頭行列:11:30~14:00 国際通り
那覇大綱挽:14:30~17:00 国道58号線久茂地交差点
HPはこちら:https://www.naha-otsunahiki.org/
※写真提供:一般社団法人 那覇大綱挽保存会