南風原町の御盆
沖縄県の多くの行事は旧正月を始め、新暦ではなく旧暦で行われま
す。その為、世間的なお盆休みから外れる年がほとんどです。
今回は私の地元である南風原町字津嘉山のお盆を紹介していこうと思います。
今年2018年の沖縄県のお盆は8月23日〜8月25日まででした。
沖縄県では、お盆の初日を「ウンケー」、2日目を「ナカビ」、最終日を「ウークイ」と呼んでいます。まずは初日「ウンケー」から紹介していきます。
ウンケー(初日)
ウンケーとは一言で言いますと「ご先祖様を迎え入れる日」です。
まずはご先祖様を迎え入れる準備をします。
玄関や門前にロウソクなど灯を両脇に2つ灯して、沖縄の線香を
2つ焚いて出迎えます。
玄関や門前に灯を灯す理由は、ご先祖様が道に迷わずちゃんと自分の家に帰って来れるようにロウソクなどの灯を灯すことによって目印の役割を果たしているからです。
・ウンケージューシー
ウンケージューシーとは、文字通りウンケー(初日)の日に食べるジューシー(沖縄の炊き込みご飯)の事です。
私の家では毎年、ジューシー、中味汁、サータアンダギーが振舞われます。
旧盆中の食事は必ずご先祖様から先に食べてもらい、一緒にお供えした線香が消えたら食べ終わったという風に考えられています。
門前と仏壇の前には、このように葉を束ねて括られたほうきがあります。これは、家の中に入る前や仏壇の前でお祈りする時に周りのゴミや邪気などをはらって身も心も綺麗にして気持ちよくお祈りできるように準備されています。
ナカビ(2日目)
沖縄ではお盆の2日目を「ナカビ(ナカヌヒ)」と言います。
仏壇を持たない家は仏壇のある家を周り御中元を届けます。ですので、この日は普段なかなか会えない身内や親戚の方々が集まり、皆んなでご飯を食べたり、最近の出来事などを報告したりと賑やかな日になります。
ウークイ(最終日)
ウークイは、一言で言いますと「ご先祖様を見送る日」です。
とても大切な日になります。
その為、仏壇にはお供え物である「重箱」を供えて、あの世のお金である「ウチカビ」を準備します。
ウークイのメインイベントと言えばやはり「道ジュネー」ですよね。
・道ジュネーとは??
地域の通りをエイサーを踊りながら練り歩くことです。
・エイサーとは??
沖縄県と奄美群島などで旧盆の時に行われるあの世にお帰りになるご先祖様を送る為の踊りの事です。
道ジュネーは地域によって3日間通して行われるところがあれば、ウークイの日のみに行われたりと様々です。
私の地元である南風原町字津嘉山では、ウークイの日のみ
「津嘉山青年会」の方々が道ジュネーを行います。
津嘉山青年会が踊ります「津嘉山エイサー」は、今から約30年以上前に、青年が中心となりうるま市の屋慶名青年会よりエイサーを習い津嘉山エイサーが誕生したそうです。
華やかな衣装と独特の腰の落としや、手の返しが特徴です。
・ウークイの儀式
お盆の最終日であるウークイは、先ほど記述した通り
「ご先祖様を見送る日」です。
最後に仏壇に線香をお供えして、その後にあの世のお金であるウチカビを燃やしちゃんとご先祖様を見送って沖縄のお盆は終了します。
※南風原町のひまわり畑
今回、私の地元である南風原町字津嘉山のお盆を紹介致しました。
南風原町は歴史や文化、伝統ある素晴らしい町です。
機会があれば是非、足をお運びになられたらいかがでしょうか。
【その他のお盆記事はこちら】
南大東島の旧盆を島出身者が紹介!久しぶりに懐かしの離島に帰省してきた-南大島村のお盆(1)
文化の融合する北大東村ならではの旧盆行事「エイサー&盆踊り」