沖縄の魅力を語る際に欠かせない「泡盛」の工程
「泡盛」の造り方、日本酒とどう違う?
みなさんは、泡盛がどのようにしてできるかご存知ですか?今回は、沖縄の魅力を語る際に欠かせない「泡盛」の造られる工程や、「琉球泡盛」の表示の歴史について、紹介します。
日本酒には黄麹、焼酎は主に白麹が使われるのに対し、泡盛造りに使用される麹菌は、「黒麹」です。原料には一部の銘柄を除き、細長い系統のお米であるインディカ種のタイ米が使用されています。粘り気の強い日本米のジャポニカ種に比べ、硬質でさらさらしているため黒麹菌が菌糸を伸ばしやすい(米麹をつくりやすい)という特性があり、香りや味わいに泡盛独特の風味を出す要因となっています。タイ米を、黒麹を使って米麹にし、水と酵母を加えてもろみにし、2週間ほどアルコール発酵させます。この工程は「全麹仕込み」といわれる泡盛独特のもので、泡盛以外の国内の焼酎はこの仕込みの工程を2度に分けて行います。
2週間ほど発酵させたもろみを蒸留させると、いよいよ泡盛が出来上がります。このときに使われる蒸留機は「単式蒸留機」と定められています。もろみに含まれる成分をほどよく蒸気に含ませることで、原料の風味をあますところなく蒸留酒に反映させるという特徴があります。このようにできあがった泡盛には、『古酒に育つ』という大きな魅力があることも忘れてはいけません。大切に管理していけば、100年、200年の古酒に、それも各ご家庭で、育てることができるのです。
「琉球泡盛」は”本場”の証
泡盛のラベルには、銘柄名や原料、アルコール度数のほかに、「琉球泡盛」との表示があります。 この表示は、沖縄県で造られたものです、という証明のようなもので、その昔は、「本場泡盛」と表示するメーカーも少なくなかったそうです。
泡盛は、沖縄の本土復帰(1972年)後は焼酎乙類として分類されたために、一時期酒類表示にその名称を使用できませんでした。しかし、昔から泡盛と呼ばれていたことで、「当該品目の名称以外に一般に慣熟した呼称があるものとして財務省令で定める酒類」として認められ、1983年に例外表示として「泡盛」が使用できるようになりました。そして同じ年、沖縄で造られた泡盛だけに「本場泡盛」と表示できるようにもなりました。泡盛の製法を守っていれば、沖縄以外の地域でも泡盛を製造することが可能です。そこで、県外産泡盛との差別化を図るために、沖縄県酒造組合が『泡盛の表示に関する公正競争規約』を作成し、公正取引委員会の承認を得たのです。
沖縄県内で製造された泡盛に「琉球泡盛」と表示されるようになったのは、平成16年からです。国税庁の「地理的表示に関する表示基準」と「地理的表示に関する表示基準第2項に規定する国税庁長官が指定するぶどう酒、蒸留酒又は清酒の産地を定める件」という2つの基準が公示され、泡盛もその基準を満たしたことで、新たな名称表示ができるようになりました。
【情報提供】
もっと泡盛を知る、愉しむポータルサイト「琉球泡盛」
http://www.okinawa-awamori.or.jp