海洋深層水で「あたらない」牡蠣を生産
冬の味覚、海のミルクとも呼ばれる「牡蠣」。フライはもちろん、煮ても焼いても炒めても、甘みがあるミルキーな味わいと旨みに多くの人に愛されてますよね。しかしそんな牡蠣を生で食べると、”あたる”って、よく聞きますよね。それは、牡蠣には食中毒を起こしやすいウイルスが潜んでいることがあるからだそう。
しかし、沖縄県久米島の海洋深層水を利用することによって「あたらない」牡蠣の養殖に挑戦している企業があるのです。
ゼネラル・オイスターは、銀座や渋谷、博多などでオイスターバーを経営する直営店舗事業のほか、安全性の高い牡蠣を提供する卸売事業、種苗生産、養殖事業などを展開しています。子会社であるジーオー・ファームは生で食べても食あたりしない牡蠣の大量生産をすすめています。
牡蠣の養殖といえば海上で行うのが一般的ですが、牡蠣が食べた海中の植物性プランクトンには雑菌が多く含まれるため、牡蠣がノロウィルスなども取り込む危険性があります。そこで、はじめからウイルスに感染しない環境で養殖する「陸上プラント」に着目しました。陸上プラント養殖の実現には、生育に欠かせない冷たい海水と、牡蠣の餌である植物性プランクトンを大量に増やせる温暖な気候という相反する条件が必要です。その条件を唯一満たすのが、海洋深層水の取れる沖縄県久米島でした。
現在、沖縄県久米島に研究所を設け、東京大学と共同で、温暖な気候と栄養素が豊富な海洋深層水を活用し、牡蠣養殖の飼料である微細藻類の大量生産に向け実験を行っています。さらに、低温の海洋深層水の中に培養した植物性プランクトンを投入し、”完全ウイルスフリー”の牡蠣の生産実験に取り組んでいるそうです。「あたらない」牡蠣が久米島の新しい名産になる日も、そう遠くないかもしれません。
【参考】ゼネラルオイスター
http://www.g-oyster.com/