伊平屋の「石」っておもしろい!? -Part.2「野甫島の石垣」-
前回に引き続き、今回も「石」のお話。
伊平屋島と橋で繋がっている野甫島では
通常見る石垣とは様子の違う石垣が見られます。
よく見られる石垣はこんな感じ。
海から拾ってきたサンゴや石を積み上げてあります。
そして、これが野甫島の石垣。
長方形の石が隙間なく積み上げられています。
これも海から拾ってきたものなのでしょうか?
実は…「切り出した石」なのです!!
その「石切場」の跡地がこちら。
直角に石を切り出した跡があります。
この石は「アワイシ」といって柔らかい石です。
無数の穴がたくさんあり、まるでお菓子のウェハースのようです。
あの大阪の名菓「粟おこし」に似ているためこの名前がついたという説もあるほど、
なんだか美味しそうな石です。
でも柔らかいとはいえ石です。
どのように切り出したのかというと。。。
斧を使って溝を掘り、テコの原理を使って剥ぎ取るようなイメージです。
こんな感じ↓
そして、切り出した石は人力で運んでました。
良質なものは沖縄本島に売りに出していたそうで、
野甫島の人にとっては暮らしの糧となる大切な石だったことと思います。
石から読み取れるその地域の暮らしや文化、歴史。
何気ない風景にもロマンが溢れています^^
記者:叶雅美(伊平屋村)
奄美大島出身。
大学卒業後、田舎や島をフィールドに地域づくり事業に携わる。
2012年、沖縄県最北端の有人離島・伊平屋村へ移住。
観光コーディネーター・地域コーディネーターとして村の振興に関わる。