投稿日:2023.06.14

沖縄ハーリー徹底解説! 各地の開催スケジュールも紹介

©沖縄観光コンベンションビューロー

沖縄ハーリーとは

沖縄ハーリーとは、毎年、沖縄県各地の漁港で開催され、ドラゴンボートに乗って競漕(船を漕ぎ競い合う)を行うお祭りです。(一部ではハーレー、パーリなどとも呼ばれます。)航海の安全や豊漁を祈願する沖縄の伝統行事で、活気に溢れ地元でかなり盛り上がるお祭りなんです。コロナの影響で、3年間開催が見送られていましたが、今年は4年ぶりの開催で盛り上がっています!

県内最大級のハーリーは「那覇ハーリー」。2023年は5/3(水)-5日(金)に行われましたが、天候にも恵まれ、大盛況でした!

ハーリーの船

さて、この独特な形と模様をした船。ハーリーに使われる船は一体どのようなものなのでしょうか。

実は、ハーリーに使われる船は2種類あります。

数名〜数十名乗りの大きな「爬竜船(はりゅうせん)」と言われる船か、それよりも一回り小さい「サバニ」という船です。

爬竜船(はりゅうせん)

長さ約10メートル以上に及ぶ伝統的な木製のボートで、特徴的な形状と美しい装飾が施されています。その一部として、船の先端はドラゴンの頭を模した彫刻があり、これがハーリーの象徴ともなっています。船の先端の竜の彫刻から、「爬竜船」という名前になったんですね。

サバニ

爬竜船(はりゅうせん)に比べると小ぶりな船。レースの出場ルールでは長さ4.5m〜9m、幅1.5m以内とサイズが定められているそうです。那覇ハーリー以外の地域で開催されるハーリーは、サバニが使われることが多いそうです。

爬竜船(はりゅうせん)
サバニ
サバニ

ハーリーの種類

ハーリーにもいろいろな種類があります。それぞれに意味や競漕の方法が違うんですよ。

御願(うがん)バーリー

祈りのバーリーです。伝統衣装を見にまとい、神人が船に乗って海上を巡り、海の神様に感謝と平和を祈ります。

職域ハーリー

職場などでグループを作って競い合うハーリーです。

転覆ハーリー

レース中に一度船を転覆させ、船を元に戻して再びレースをする、というハーリーです。

沖縄ハーリーの歴史

起源については諸説ありますが、一説では中国から伝わったと言われ、その歴史ははるか14世紀頃まで遡ります。

南山王国(なんざんおうこく:現在の糸満市を中心に沖縄県島尻郡南部に存在した王国)の汪応祖(おうおうそ)が南京に留学した際に、中国で見た龍舟を造って5月の始めに城下の江で競渡をしたとか。

その後、沖縄の行事として根付き、琉球王国時代(1429年-1879年)の終わりと共に、ハーリーは一度禁止されたそうですが、後に復活し現在に至るそうです。

今では、沖縄の春の風物詩とも言える存在になっています。

祭り/爬龍船競技(ハーリー)那覇市歴史資料室収集写真/戦前
祭り/那覇ハーリー那覇市歴史資料室収集写真/戦後/沿岸の見物客も一緒に盛り上がる。

沖縄ハーリーのデザインは誰が?

それぞれの船に書かれている模様も、独特でインパクトがありますが、これは一体誰が描いているのでしょうか?糸満ハーレーの主催者、糸満漁業協同組合の大城さんにお話を伺いました!

実は、出場する各チームの中で絵が得意な方が描いているそうです!
龍の絵や海の上をジャンプして泳ぐトビウオを描いてみたり、そのチームごとに自由に柄を決めて描いていくそう。
(てっきり専門の職人さんが描いているものと思っていました!)

船の模様に注目しながら観戦するのも楽しめそうですね。

糸満ハーレーの開催日は、6月20日(火)、21日(水)

糸満ハーレーの今年の開催は、6月20日(火)、21日(水)。
毎年3-5万人観客のある一大イベントです。

糸満ハーレーの目玉1:少年少女ハーレー

20日が前夜祭で、少年少女が参加する「少年少女ハーレー」が目玉。
前夜祭の優勝者は、本祭でお披露目をするという名誉が与えられるそうです。

また、夕方には門中(もんちゅう)ハーレーの予選も開催され、上位3チームが21日の決勝に参加いたします。
門中(むんちゅう)とは、同じ始祖を持つ父兄系の血縁者の集まりのこと。
大きい所になると5千人以上にもなるそうです!

糸満ハーレーの目玉2:転覆ハーレー

レースの途中で一度船を転覆させ、船を立て直してゴールを目指す転覆ハーレーが、糸満ハーレー最大の目玉となっています。
南側からスタートし、途中にある審判船が、「はい、そこで船を倒してください!」と旗を振ると一斉に船を転覆させます。そこから船を起こして、海水を汲み上げてから、再びゴールを目指すそうです。

なかなかハードなレースですが、毎年力や泳ぎに自信のある地元の海人が参加し、大いに盛り上がるそうですよ。

2023年版沖縄各地で開催されるハーリー大会スケジュール

ハーリーは旧暦5月4日(ユッカヌヒー)に行われるのが基本ですが、近年ではゴールデンウィークや日曜日にずらして催される地域もあります。

2023年も、沖縄県内各地でハーリーの大会が開催される予定です。以下に代表的なハーリーのスケジュールをご紹介します。

直前の変更などもありますので、詳細については、各地域の公式サイトなどをご確認ください。

那覇ハーリー2023年5月3日(水)~5日(金)
糸満ハーレー2023年6月20日(火)・21日(水)
港川ハーレー(港川ハーリー)2023年6月21日(水)
奥武島(おうじま)ハーリー(奥武島海神祭)2023年6月21日(水)
豊見城(とみぐすく)ハーリー開催日未定。決定次第HPでお知らせ予定。
北谷ニライハーリー2023年6月25日(日)
沖縄爬龍舟フェスティバル開催日未定。決定次第HPでお知らせ予定。
名護市長杯争奪 全島ハーリー大会開催日未定。決定次第HPでお知らせ予定。
今帰仁ハーリーカーニバル – 今帰仁ハーリー大会開催日未定。決定次第HPでお知らせ予定。
伊江島海神祭(パーリ)2023年6月21日(水)
石垣市爬竜船競漕大会(海神祭ハーリー)2023年6月21日(水)
石垣島 白保(しらほ)ハーリー(海神祭)2023年6月21日(水)
石垣島 船越屋(ふなくや)ハーリー2023年6月21日(水)
嘉手納ハーリ―大会開催予定なし
読谷村ハーリー大会2023年6月25日(日)
てだこハーリー大会2023年は開催予定なし


ハーリーは地元の人々だけでなく、観光客も楽しめる人気の高いお祭りです。
競漕はもちろん、地元の美味しい料理を味わいながら、沖縄の文化を味わってみるのはいかがでしょうか?

また、体験乗船をさせてくれるハーリーもあるので、「乗ってみたい!」という方は「ハーリー 体験乗船」で調べてみるのもおすすめです。

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