☆みんなが待っている「八月踊り」!多良間自慢の伝統行事☆
みなさまこんにちは、実は最近島内でお引越しをしたあっきーです。
ライター・ガイドになる前は「地域おこし協力隊」として活動し、今年3月末に任期満了で卒業したというのは、最初のコラムでもお伝えした通りです。それまではいわゆる「社宅」に住んでいたので、新しい住まいを見つける必要があり・・・退任から4か月以上経ったこのタイミングでやっとこ新居が決まりました!(離島あるあるの「お部屋探しの苦労」は、また別のコラムで)
引越しも無事に終わり、次にやってくるのは・・・島のみんなが楽しみにしている「八月踊り」!国指定重要無形民俗文化財に指定されている、多良間村の一大行事、今回はあっきー目線で八月踊りを深堀りしてみたいと思います!
【さて、「八月踊り」とは、いったいどんな行事??】
今年は、9月10日~12日の日程で開催される「八月踊り」。「あれ?八月踊りなのに9月なの??」と思われた方、そうなんです!多良間島の伝統行事は、全て「旧暦」で実施されているため、この八月踊りも、「旧暦の八月」に行われるんです。なので、年によって(暦の巡りで)、9月上旬になったり中旬になったりします。沖縄手帳や、県内で発行されるカレンダーなどには「旧暦」が表記されていることが一般的で、私もだんだん旧暦生活に慣れてきました(笑)。
閑話休題。
難しすぎるお話は抜きにして、簡単に八月踊りのご説明をば。八月踊りの起源というのは、実ははっきり分かっていません。ただ、本来の名称が「パチュガツウガン(八月御願)」と称されていることから考えると、かなり古い時代から始められていたものと考えられているそうです。
昔、首里王府から村に課されていた人頭税(穀物や反物等)を、その年の旧暦七月までに納め終わり、翌月の旧暦八月には、各御嶽に「完納の報告とお礼」を述べ、「来年の豊作を祈願」したといわれています。その際に、御嶽の神前で舞われた「民俗踊り」が、八月踊りの起源!と言われています。苦しい税を納め終わって、「やったー!来年も豊作になりますように!今日は踊っちゃいますか!(想像ですが)」という、喜びの感情だったのではないかなと思います♪
【踊りの流れは?観光にはいつ行くのがお勧め?】
多良間村には「仲筋」「塩川」という、2つの「字(あざ)」があり、八月踊りはこの「字」ごとに開催されます(余談ですが、多良間村役場前の道路で、住所が仲筋と塩川に分かれています)。仲筋字は、「土原ウガン」、塩川字は、「ピトゥマタウガン」で八月踊りを奉納します。
踊りが三日間あるのにも意味がありまして・・・。初日は、「仲筋字の正日(ショーニツ)」として、仲筋字の住民の皆様が塩川字の皆様を「ご招待」する日なのです。明けて二日目は「塩川字のショーニツ」で、今度は逆に塩川字がご招待をします。最終日は「ワカレ」といって、各字で思い思いに踊りを楽しむ日になっています♪
当日は、島出身で普段は島外で生活をされている方なども踊りを見に(もしくは出演しに)島に帰ってくるため、島内は観光客の方と合わせると、普段の倍以上の人数がいるんじゃ!?と思わず錯覚するほどの賑わいになります。朝早くから行って「特等席」の舞台正面の席を確保する方、クーラーボックスに飲み物やお弁当を詰めて持って来て、1日(文字通り朝から晩まで)を会場で過ごす方・・・これはもう、体験して頂かないと分からない!撮影班(当時)の私ですら、いつの間にか会場の隅っこに追いやられていました(笑)。
そして観光の方にアドバイスを。初日と2日目は、八月踊り目的の全員が一か所の会場に集結するので、どうしても写真のように込み合ってしまいます。最終日までに「この踊りはどうしても近くでゆっくり見たい!」というものを決めておいて、最終日にふたつの会場を移動しながら楽しむ、という方法が個人的にはお勧めですよ!
【あっきー的、八月踊りの見どころは?】
八月踊りは、三日間、朝から晩まで(午前10時くらいから午後は9時過ぎまで)、多くの演者さんが入れ替わり立ち代わり舞台に立ちます。これだけ聞くと「そんな長い時間ずーっと見ていられないよ~」という声が聞こえてきそうですが、ご安心ください。私もそうです(笑)。
無理に全部を見る必要はないんです!島の皆様も、自分の家族(特にお子さん)やご友人が出演する時にはカメラを構えて声援を送りますが、ずっと一日中その場所にいるのも疲れるので、ちょこちょこ家に戻ったり、出店でビールを飲んだり・・・と、見たいところを厳選して楽しんでいらっしゃる印象です(中には朝から晩まで・・のツワモノの方もいらっしゃいますが・笑)。
会場の周りにはかき氷やソフトドリンク、ヤギ汁や焼き鳥などの出店も出るので、私も冷たいビールを飲みつつ、会場の雰囲気を楽しんでいました♪子どもたちはかき氷に大興奮!1日で3杯おかわりした子もいるとかいないとか!楽しみ方は人それぞれですね!
その中で、あっきーのお薦めは、「組踊」と最終日の「総引き(シュウビキ)」ですね!
組踊は、各字で2演目ずつ催される、「沖縄版オペラ?」のようなものなのですが、きらびやかな琉装に身を包んだ演者さん方が、音楽に合わせて朗々とセリフを話し、時には客席にちょっかいを出して笑いを誘い・・・1分1秒も目が離せない、八月踊りメインの演目です!
最後の「シュウビキ」は、演者さんが全員舞台に上がり、無事に踊りが終わったことを客席と一体になって喜ぶ、八月踊りのフィナーレです!中にはお子さんを抱っこして一緒に回られるパパの姿も。客席からも、演者の皆さんへ惜しみない拍手と賛辞が飛びます。「やり切った!」感をぜひ皆様も客席で一緒に体感してみてください♪
そして、私が何よりいいなぁと思うのが、この伝統行事が、先祖代々ずっと年長者から年少者へと教え・引き継がれてきたことです。「真新しいもの」が増えた現代では、伝統文化や伝統行事を残したくとも後継者がいない、と悩んでいる地域も多くあります。その中で多良間は、「祖父母から子に、子からその子ども(孫)に」、という形で、しっかりと踊りが伝えられています。この時期、島のあちこちで踊りの練習風景を見ますが、年長の方の教えを受けながら頑張って所作を覚えようとする小・中学生の姿がそこにはあります。
先祖代々、多良間島で大切に伝えてこられたこの踊りを、是非一度は、見にいらしてください。言葉では言い表せないものをきっと感じて頂けると思います。
それでは次回のコラムまで、夏バテには気を付けてお過ごしくださいね♪