投稿日:2024.09.25

宮古島の三大文化財:クイチャー、宮古上布、宮古馬

「宮古ブルー」と呼ばれる美しい海が有名な宮古島ですが、その魅力は海だけではありません。

地理的な隔離と歴史的背景から、宮古島は沖縄本島や八重山諸島とは異なる独自の文化を持ち、伝統的な習慣や技術が今も色濃く受け継がれています。今回は、そんな宮古島の文化を象徴するクイチャー、宮古上布、宮古馬を紹介します。

クイチャー

クイチャーとは、宮古島に伝わる民謡と踊りです。
その起源は古く、豊年祭や雨乞いなどで行われたり、男女の娯楽の踊りとして親しまれてきました。
語源は、「クイ(声)をチャース(合わせる)」とも言われ、リズミカルな手拍子と共に、皆で歌い踊ります。

地域によって様々なクイチャーが伝承されていますが、ここでは「狩俣ぬくいちゃ」(かりまたぬくいちゃ)をご紹介します。

「狩俣ぬくいちゃ」は、宮古島の北側にある「狩俣集落」の祭り歌で、村の名である「狩俣」をほめた内容の民謡です。

歌詞の一部と合唱曲をご紹介します。

狩俣や島(しいま)がまどう やりばまいよ ヤイヤヌ
(狩俣という小さな村でも)

島(しいま)ぬ上手(わーてぃ) 村ぬ上手 狩俣村よ
(狩俣村は島の中でも優れた村だ)

十日(とうか)四日(ゆーか)ぬ 十五日(じゅーぐにちぃ)ぬ 御月(うちぃき)ぬ如(にゃ)んよ
(14日や15日のお月様のように美しい)

上(あが)ず美(かぎ) 昇(にゅ)ず美(かぎぃ) 狩俣村よ
(美しい昇りの狩俣村よ)

我(ばん)達(た)がきゅーぬ 友達(あぐた)がきゅーぬ ゆりやまずーまよ
(私たちの友達のように大切な)

踊(ぶどぅ)らでぃてぃーどう 遊(あし)ばでぃてぃーどぅ ゆりやうたずよ
(踊り、遊び、歌う)

狩俣村の美しさとその住民の団結を称える「狩俣ぬくいちゃ」。クイチャーの歌詞と踊りは、地域の歴史や自然、人々の生活を映し出し、コミュニティの絆を強める大切な役割を果たしています。

宮古上布

国指定重要無形文化財とされている宮古上布も、宮古島の文化を代表するものです。

元々は琉球王国への献上品として作られていた宮古上布。その制作工程は非常に精巧であり、そのために多くの手間がかかります。当時の女性たちは日々宮古上布作りに励んでいました。

その苦労を謡うクイチャーも存在します。

現在、担い手の不足が深刻な問題となっており、保存活動が重要な課題です。

伝統を受け継ぎ、未来へと繋げている「宮古織物事業協同組合 専務理事の浦崎さん」へのインタビューもぜひご覧ください。

宮古馬

宮古馬は、宮古島に生息する小型の馬で、1991年に沖縄県の天然記念物に指定されています。

かつては、農作業や運搬に使われ、島の生活に欠かせない存在でした。その頑丈な体と優れた耐久性が特徴です。しかし、現在では数が減少し、2021年時点で約40頭(出典:Be Kind OKINAWA(2021年))。

市の任意団体「宮古馬保存会」と宮古島農家の皆さんが一緒になって保護活動が行われています。

2023年9月からは、宮古馬牧場の見学会も開始していますので、ご興味のある方は是非お問い合わせください。