【OISTレポート】『ヒアリ』忘れてない?ヒアリの数は増え続けています!
2017年夏、兵庫県尼崎市にてヒアリの上陸が初めて確認されました。
当初は、テレビや新聞等で大きく取り上げられ注目を集めましたが、2年が経過した今では「ヒアリ」という言葉を耳にする機会も減少しているかと思います。
しかし、報道されなくなった今もヒアリの侵入は続いており、ヒアリの発見事例数、個体数ともに増加を続け、沖縄県内へのヒアリ侵入は時間の問題と考えられています。
【図】ヒアリ発見数(赤)は増え続けている一方で、ヒアリに関する報道(青)は2017年秋をピークに減り続けている。(環境省ホームページ及び、日経テレコン新聞トレンドによる全国80紙のデータを基に OISTにて作成。)
この問題に対し琉球大学、京都大学、沖縄科学技術大学院大学(OIST)及び国立環境研究所は、ヒアリの防除・根絶・将来の侵入への対策に向け、共同研究プロジェクトを立ち上げました。
当プロジェクトでは、琉球大学はその生態的な知見に基づき、外来アリを効果的におびき寄せる新たなベイト(誘引餌)技術の開発を担当し、京都大学はウイルス感染によるベイト効果に対する影響を研究します。国立環境研究所は、簡易かつ効果的に外来アリを同定・駆除する技術を開発し、OISTはこれらの新技術を用いた防除システムの社会実装及び、あらたな外来アリモニタリング技術を沖縄で試行し、確立した技術を全国に展開することで、ヒアリ監視ネットワークを国内に張り巡らせることを目指します。
【写真】ヒアリSolenopsis invicta 台湾産有翅女王アリ側面図。
提供:沖縄科学技術大学院大学(OIST)OKEON美ら森プロジェクト