久高島は、那覇発朝7時22分志喜屋線38番のバスで行けてその日のうちにこの世の果てを感じられるゾーンだった。南城市【沖縄のはじっこを見に行く#7】
初めての久高島。
緯度経度的端っこではないが、「心境的な端っこ」を感じたね。
ハマってリピってる方も多いと聞く。
「泊まるのがええねんで」という人も多い。
沖縄単身赴任1年2カ月。
いつ行こうか、と思いながら少し敷居の高さを感じていた。
6月、東京から友来たるあり。
「久高行くけど、一緒にどうすか」と。
乗らないわけがない。
前夜祭、老舗「美榮」で晩餐後、「泡盛倉庫」で結構飲んでお口を清めて。
朝、那覇バスターミナルから出発。
ガラガラのバスで一時間弱。
眠気マックスだが、終点ではないので熟睡できない。
「あざまサンサンビーチ」というファンキーな名のバス停から徒歩ちょびっと。
安座間港は、居心地の良い待合室を備えた船着場。
壁には「島の楽しみ方」「行くべき場所」「入っちゃいけないところ」など丁寧な掲示があってありがたい。
海外からのお客さんにもしっかり読んでほしいな。
高速船で15分、フェリーで25分。
あっという間の船旅。
こじんまりシンプルな徳仁港に着き、早めの下船からのレンタルサイクル屋さんへ。
貸すところは3軒ほどあるし、たくさん車両はあるので焦らなくてもいいんだけど、電動アシストを借りたかったら先着をオススメします。
坂道はほぼないけれど、未舗装道が多いのでやっぱり快適でした。
まず、ゆっくり右岸沿いに北上。
人工物が視界に入らない砂浜、海岸が魅力的だ。
じわっと綺麗だなぁと感じる。
拝む場所がそこここに。
各浜への入り口には可愛い表示があって、迷わない。
とにかくゆっくり漕ぐ。
誰かとすれ違ったら挨拶する。
自然とそういう気持ちになっているのが不思議。
同じ船で来たカップルとしばしば合うので、目礼、会釈。
同じ日に同じ船でこの島に来ただけで緩やかなご縁を感じる。
未舗装の道、水たまり、農作業の人たち
大きめの蝶、トカゲ、猫
味のある石垣、路地、みずみずしい緑の植生、アダンの実
砂浜に咲く花、手作りのバスケットのゴール
そのようなものをみて、ぼーっと過ごす。
最北端のカベール岬に立つと、洗う波は荒く、はるばる来た感がこみ上げてきた。
ここは、久高島の端っこ。
きた人は誰も少し長く留まる。
無言で、遠くを見つめる。
左岸を集落へ戻る。
右岸より走りやすい。
いくつかの分岐がある。
やがてお墓エリアに。
島の西側に大きなお墓がひっそりずらりと並ぶ。
粟国島でもこの線の向こうはあの世、という場所があると聞いた。
映画「洗骨」で知った。
ここもそうなのだろうか。
見応えがあったのは「久高島民俗資料室」
イザイホウ(=久高島の祭祀)の詳しい流れが写真パネルとテキストでよくわかる。
コアのシーンに入れてもらって撮し取ったカメラマン比嘉康雄さんに深く敬意を表したい。
ロイヤルファミリーの来訪記録も微笑ましく。
民宿SAWAは拝むことを仕事になされてる澤さんの経営。
数人で寛げそうなログハウスを見せてもらった。
明るくて、エネルギッシュな目が印象的だった。
いい音の竹風鈴の音色を聴かせてくださった。
13時のフェリーで帰る。
次回は一泊、と強く思う初訪問になった。
星、キレイだろうな。
クーブイリチーとか食べさせてくれるかなぁ。
絶対入ってはいけない場所はあるけど、番人がいるわけでもない。
リスペクトを持ってルールが守られるように念じたくなった。
執筆者:長谷川和夫
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