【沖縄美術日誌 vol.1】⽇常を煌めかせる器〈miyagiya〉
【沖縄美術日誌 vol.1】⽇常を煌めかせる器〈miyagiya〉
「⾷器」と「記憶」は⽬に⾒えない細い⽷で繋がっているような気がする。
⺟が使っていたコーヒーカップ。
祖⺟が冷やし中華を乗せる⻘磁の⽫。
幼い頃、妹と⼀緒に作った琉球グラス。
それらは⽣活に溶け込みすぎていて気づかないほどに、ささやかに、私たちの⽇常を彩っている。
〈miyagiya〉は那覇市松尾に佇むお店です。
店主である宮城博史(みやぎひろふみ)さんが選び抜いた⽇常使いのクラフト作品が⽬⼀杯に並び、
ガラス扉を開く前から⽬を奪われる品々ばかり。
店内にはやちむんだけでなく、アクセサリーや⾐類などの服飾品もディスプレイされています。
陽光に反射してチラチラと輝くcicafu metal worksのピアスは、美しい曲線がムール⾙を想わせ、ぼうっと⾒ているだけで⼼が躍ります。
(ディスプレーをする店主の宮城さん)
『⽇々の⽣活を豊かに、ワクワク、ドキドキするものにしたい』というコンセプトのもと、
「こんなものがあったらいいな。」という宮城さんの視点から選び抜かれた商品。
それらはすっと、そしてずっと暮らしに馴染んでいくものばかり。
私たちの⽣活を⼼地よいものにしてくれます。
「このグラスには何を⼊れて飲もう?花を挿しても素敵だなあ。」そんなふうに想像を膨らますことができる、シンプルで柔らかなラインが特徴の⼩野⽥郁⼦さんの琉球ガラスのグラス。
⾷器を選んでいると、⾷事を作る楽しみが⽣まれます。
旬の野菜を買ったり、新しいレシピに挑戦したり、祖⺟から料理を教わってみたり。
毎⽇が少しだけキラキラして⾒える。
そんな⼒が、⾷器にはあるのだと思います。
(minakoさんのタブロー作品)
(前⽥彩さんの陶芸作品)
〈miyagiya〉は道を挟んだ隣の建物にもギャラリーを兼ねた店舗があり、そこでは⽇⽤クラフトだけでなく、油絵や陶芸作品なども展⽰販売されています。
同スペースでは美術と⼯芸の間で作品を作り続けている作家の展⽰を1、2年に1度のペースで⾏っており、過去には現代アーティストの下道基⾏さんや⽯⽥尚志さんの展⽰を開催。⽇常と⾮⽇常が融合したようなお店は、まるで⼩さな美術館のようです。
来店する⽅々に様々なものに興味を持ってもらいたいという店⻑の志のもと、暮らしを総合的にプロデュースしている〈miyagiya〉。
皆さまもぜひ、⽇々の思い出を煌めかせる品々に出会いに⾜を運んでみてください。
〈miyagiya〉
住所:沖縄県那覇市松尾2−12−22/2‒19‒39
TEL:098-869-1426
定休⽇:⽔曜⽇(臨時休業あり)
*マスクの着⽤、⼿指消毒にご協⼒お願いします。
〈Profile〉
澁⾕夏恵(シブヤナツエ)
沖縄県⽴芸術⼤学芸術学専攻2回⽣/AIO(アートイニシアチブオキナワ)スタッフ
趣味:美術館巡り、読書
好きなこと:知らない⼈の家の庭を覗くこと
はじめまして、こんにちは。芸⼤⼆回⽣の澁⾕夏恵と申します。
普段は⼤学で美術史の勉強をしながら、AIO スタッフとして琉球新報でコラムを書いたり、こども向けの美術教室でアシスタントなどをしています。
今回から⼤学⽣レポーターとしてセレクトショップを紹介させていただくことになりました。
思わずムフフとなってしまうようなお洒落なお店を、ゆるっとレポートしていきますのでよろしくお願いします。